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相続した自宅に抵当権が付いていたときの対処法

2017-08-08

父親が亡くなり、父名義の自宅を唯一の相続人である私(長男)が相続することになりました。 自宅の登記簿の名義を変更しようと登記簿を見てみたところ、所有者は父となっていましたが、住宅ローンを組んだときに設定したと思われる抵当権が付いていることが分かりました。

この場合、長男は自宅と一緒に抵当権も相続しなければならないのでしょうか。

抵当権とは

抵当権とは、貸したお金を返してもらえなかったときに、担保にとったものについて、他の債権者に優先して返済を受けることのできる権利のことをいいます。

住宅ローンを組むときは、銀行等の金融機関からお金を借りるのと引き換えに、購入した自宅に抵当権を設定することが一般的です。

住宅ローンの返済が滞ってしまったときは、銀行等の金融機関が自宅を競売する等して、その売却代金から銀行等の金融機関が優先的に貸したお金を回収することになります。

抵当権の相続という言葉につきまして、抵当権は不動産に付いているものですので、抵当権を単体で相続するというよりは、イメージとしては抵当権付きの不動産を相続する、ということになります。

抵当権の被担保債権の返済が終わっているかどうかを確認

抵当権は、その被担保債権である借りたお金を返すことができなかったときに初めて実行されるものですので、借りたお金を完済すれば実行(競売)されることはありません。

住宅ローンの場合、住宅ローンを完済しさえすれば、当該抵当権を設定した銀行等の金融機関が実行(競売)をすることはありません。

そこで、まず確認をしなければならないのは抵当権の被担保債権(住宅ローン等)の返済が終わっているのかどうかということになります。

被相続人が60歳以上の方の場合

亡くなった人(被相続人といいます)が60歳以上の場合、住宅ローンの返済が終わっている可能性があります。

住宅ローンを完済すると、銀行等の金融機関は抵当権の抹消登記に必要となる書類を自宅の所有者に渡しますが、抵当権を抹消するかどうかは所有者の自由ではあります。もちろん、銀行等の金融機関から書類を受け取ったらすぐに抵当権の抹消をする方が望ましいです。

しかし、つい忘れてしまうとか、後回しにしてそのままとなっている等により、抵当権の登記を放置してしまっているケースがあります。

もし、上記の理由により抵当権が付いたままの自宅を相続したときは、相続人が、被相続人が銀行等の金融機関から受け取った書類をもって抵当権の抹消を法務局へ申請することになります。

銀行等の金融機関から受け取った書類がなければ、その事情を説明して再度当該書類を交付してもらわなければなりません(再発行の手数料がかかることもあります)。

被相続人が30代~50代の方の場合

稀に、被相続人が40代の方でも住宅ローンを完済し終わっているということもありますが、多くの30代~50代の方は住宅ローンの返済中かもしれません。

相続は、プラスの財産もマイナスの財産も相続することになりますので、自宅を相続するのであれば、原則として住宅ローンも相続しなければなりません。

しかし、住宅ローンを組むときは、併せて団体信用生命保険に加入することが一般的です。

被相続人が団体信用生命保険に加入をしていた場合、住宅ローンは相続しなくても良くなります。

団体信用生命保とは

団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んだ方が、(保険の内容によりますが)亡くなったり高度障がいとなってしまったときに、その保険金をもって住宅ローンを返済するタイプ生命保険です。

つまり、住宅ローンの返済中に亡くなった方が団体信用生命保険に加入していたときは、住宅ローンの残債は全て保険金で支払われることになるため、住宅ローンを今後支払う必要のない自宅を相続することができることになります。

団体信用生命保険によって住宅ローンを完済したときは、銀行等の金融機関が抵当権の抹消登記に必要な書類を相続人に渡してくれますので、その書類をもって抵当権の抹消登記をします。

団体信用生命保険による完済と抵当権抹消登記

団体信用生命保険によって住宅ローンを完済したときの抵当権の抹消登記は、相続登記の後でなければすることができません。

①所有者が亡くなる。
②団体信用生命保険によって抵当権の被担保債権(住宅ローン)が完済される。

という順番で事実が発生しているため、

①相続による所有権移転の登記
②抵当権の抹消登記

の順番で登記の申請をすることになります。

住宅ローンが残る場合

被担保債権たる住宅ローンの残債があり、それが団体信用生命保険等によっても完済されないときは、住宅ローンを相続することになります。

住宅ローンを相続したときは、被相続人に代わり相続人が住宅ローンを返済していくことになります。

相続人がそれでも構わないのであれば、そのまま自宅も住宅ローンも相続して話は終わりますが、住宅ローンを支払えない、あるいは支払えるけれども住宅ローンを相続したくないときは対応を考えなければなりません。

相続放棄という選択

住宅ローンを相続する等して、相続するプラスの財産よりもマイナスの財産が多くなるようなときは、相続放棄という選択をとることも考えられます。

相続放棄をすると、相続放棄をした人は最初から相続人でなかったことになりますので、プラスの財産もマイナスの財産も相続することがなくなります。

ただし、単純承認に該当する行為をしてしまうと以降相続放棄ができなくなってしまいますし、自分が相続人であることを知ったときから3ヶ月以内にその手続をしなければなりませんので、相続放棄をする際には注意しましょう。

限定承認という選択

相続放棄の他に、限定承認という選択をとることも考えられます。

限定承認とは、相続人が遺産を相続するときに、プラスの財産を限度としてマイナスの財産も相続することをいいます。

限定承認は、単純承認に該当する行為をしてしまうと以降限定承認ができなくなってしまうこと、自分が相続人であることを知ったときから3ヶ月以内にその手続をしなければならないことに加えて、相続に全員が一緒に行わなければなりません。

限定承認には、上記以外にも様々な注意点がありますので、弁護士や司法書士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

不動産を売却するという選択

不動産の売却価格が住宅ローンの価格を上回るとき、あるいは相続した不動産の売却代金と他の預貯金等の相続財産で返済できるのであれば、不動産を売却して住宅ローンを一気に返済してしまうという方法も考えられます。

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